2023.11.08
交通事故・保険
交通事故にて、弁護士を入れると慰謝料が上がる仕組み
交通事故で怪我をされた方は、治療が終了すると、事故の相手方の損害保険会社から、賠償額の提示を受けることになります。
この提示額ですが、すぐ同意するのではなく、一度、弁護士に相談してみることをお奨めします。なぜならば、弁護士に交渉を依頼することによって、賠償額の増額となる可能性があるからです。
以下では、賠償額が増額される理由について解説します。
1.賠償額の基準は色々ある
さて、損害保険会社の賠償額を見てみますと、「治療費」「交通費」等、様々な項目が列挙されています。その中に「慰謝料」という項目がありますが、この慰謝料は一体どのような基準で算出されるのでしょうか。
一つには、自賠責保険の基準と言われるものがあります。自賠責保険は、加害者が負うべき経済的負担(損害賠償)を補填することにより、基本的な対人賠償を確保することを目的としており、一定の条件のもと、通院1日あたりいくらという形で慰謝料が支払われます。ですが、自賠責保険から支払われる慰謝料は必ずしも十分なものではありません。
そこで出てくるのが任意保険です。任意保険では、各損害保険会社がもっている基準にしたがって、治療費や慰謝料等を支払いますが、多くの場合、損害保険会社の基準で算出された慰謝料の方が、自賠責保険の慰謝料よりも高額になります。
これら以外にも、いわゆる「裁判基準」というものもあって、文字通り、裁判所で認定される慰謝料の基準(相場といった方が適切かもしれません。)です。一般には、この裁判基準による慰謝料が一番高額になると言われています。
損害保険会社は、弁護士以外の方と交渉する場合には、自賠責保険の基準または損害保険会社の基準を使って慰謝料額を提示してきます。そのため、裁判になれば獲得できる慰謝料よりも低額で示談をしてしまうということが起こり得るのです。
2.弁護士に依頼することのメリット
損害保険会社は、交渉の相手が弁護士になると、裁判基準を前提として、慰謝料額を算定し直します。結果として、慰謝料額が2~3倍になるということもあります。
弁護士に依頼すると費用が掛かると思われる方も多いかと思いますが、もし、ご自身の自動車保険に弁護士費用特約という特約があれば、弁護士費用を心配せずに、弁護士に交渉を依頼できます。
保険会社から交通事故の賠償額を提示されたときは、すぐ同意せず、一度弁護士への依頼を検討してみて下さい。